長期相続登記未了土地の相続手続きは大変!

こんにちは。山口市役所近くで司法書士事務所をしている山本崇です。

前回、長期相続登記未了土地について簡単に説明しましたが、今回はその長期相続登記未了土地について実際に相続登記をする時のお話です。

50年以上登記がされていない土地については、法務局が長期相続登記が未了である旨の記載が登記簿に付記されます。といっても50年以上登記がされていない土地すべてに付記されるわけではなく、ごく一部のみです。これは人的にも金銭的にもすべてを網羅することが簡単ではないからだと思います。そして、長期相続登記未了であると付記されると同時に法務局から、早く相続登記をしてくださいという文書が登記簿上の名義人の相続人宛てに送られます。今年の3月頃、あなたのご先祖様名義の土地が長期間なんの登記もされていないので早く相続登記をしてくださいという法務局からの文書を受け取った方から相談があり、相続登記をすることになりました。通常、何十年も相続登記を放ったらかしにしている土地の登記手続きは、相続人の数も膨大になり、戸籍を集めるのだけでも何か月もかかりとても大変なのですが、長期相続登記未了土地である旨の付記がされている場合は、あらかじめ法務局のほうで戸籍をすべて集めていて、登記簿上の一番最近の名義人(といっても明治時代とか大正時代とかの方がほとんどですが)の相続人全員が洗い出されています。ですので、私たち司法書士としては戸籍を一から集めて相続人調査をする必要はなく、遺産分割協議書を作成して相続人全員から実印を押してもらうだけで済みます。もちろん、場合によっては相続人の方に相続放棄をしていただく場合もあります。ですので、長期相続登記未了土地の相続手続きは簡単だ!と言いたいところですが、そう簡単にはいきません。法務局で相続人調査をした結果、相続人の数か何十人にも膨れ上がってしまった場合は、その全員から遺産分割協議書に実印を押してもらったり、相続放棄をしてもらったりするのはかなりの時間と労力を要します。当然、司法書士に支払う報酬も高額になりがちです。ですから、やはり相続登記はできるだけ早めにしておいたほうがいいのは間違いありません。令和6年4月からは相続登記が義務化もされますしね。みなさんもご自分だけでなく、ご自分のご両親やそのご両親がちゃんと相続登記を済ませているのか聞いてみるといいかと思います。

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