こんにちは。さくらばたけ事務所の司法書士山本崇です。今回は、表題の通り「不動産は資産であるのか」ということを考えてみます。

いったい、不動産は資産と言えるのだろうかと考えた場合、皆さんはどう思われますか。東京や大阪の中心部に不動産を持っていた場合、それは資産と言って間違いないでしょう。60~70坪の宅地と建物で数億円の価値があるといった物件がゴロゴロしてますから(その代わり、相続税の負担もすごいことにはなりますが)。しかし、私の住んでいる山口県ではそういった価値の高い物件は多くありません。確かに山口市内の中心部の不動産であればそこそこの値段で売れるので、資産価値はありますが、山口市でも中山間地域であるとか完全に山の中の不動産となると、よほどのことがない限りは買い手がつきません。ですので、そういったところの不動産を相続しても、相続登記等の手続きにお金がかかってもったいないので相続登記もせずに放置している人がたくさんいます。その結果、最近問題になっているのが空き家問題であったり、最後の登記がされてから50年以上経過している所有者不明の土地問題になってくるのです。

私たちは司法書士であるので、立場上相続登記はしておいた方がいいですよとは言うのですが、やはり資産価値の乏しい不動産について、決して安くはない司法書士報酬を払ってまで登記をしてくださいとは言いづらいのが現実です。

それでも、相続した不動産のうち家屋部分を取り壊しておけば、周りの住人に迷惑をかけることもないですし、何かの拍子に買い手が見つかる可能性もあるのですが、下手に建物を取り壊してしまうと、宅地部分の固定資産評価額が跳ね上がってしまいますので、相続人さんとしても簡単には取り壊しには踏み切れません。もちろん、取り壊しの費用も数百万とか必要となってくるという点もありますが。ですので、過疎地域で誰も住んでいない家が手つかずのまま放置されているといったことになるのです。

空家等対策特別措置法が平成26年に議員立法で成立しました。これによれば、空き家のうち倒壊等の危険があり周りの家屋や他人の財産に損害を与える可能性のあるような空き家を特定空家と市役所等が指定し、その指定を受けた場合、その家屋が建っている土地の評価額が、一般の家屋が建っている通常の宅地のように低く評価される特例を受けることができなくなり固定資産税が高く課税されることになりました。その結果として、管理の行き届いてない空き家を早い段階で取り壊してもらうことができると期待されているのですが、実際のことろ、行政が特定空家と指定するのをためらっているような気配があります。また、崩壊寸前の空家であっても、山奥の一軒家であればそもそも他人の家屋や財産に損害を及ぼす恐れはないので、そういった空家が特定空家と指定されることはまずないでしょう。

私も司法書士として仕事をしていて、時々田舎の家をなんとかできないかと相談をうけることがありますが、なかなか適切なアドバイスをして差し上げることができずにいます。相続人さんもそうでしょうが、我々不動産に関わる人間としても悩ましい問題です。
 9月19日のパークロード