司法書士試験の勉強の仕方

こんばんは。山口市中河原町の司法書士山本崇です。先日の土日にセンター試験に代わる共通テストが実施されました。私の自宅は大学のキャンパスのすぐ横ですので、当日朝はたくさんの受験生を見かけました。ちなみに私はかつての共通一次試験に代わって実施されたセンター試験の記念すべき第1回目の受験生でした(不名誉なことに浪人したため翌年の第2回目も受験しましたが)。というわけで今回は試験に絡んで司法書士試験の受験勉強について書いてみます。

私は30代後半になって司法書士を目指し、勉強を開始したのですが、それまでは法律というものを勉強したことがありませんでした。勉強を始める前は、法律ってのは一般の人が手を付けてはいけない神聖なものだとさえ思っていました。まあ世間を知らなかっただけなんでしょうが。で、勉強を開始するにあたって、資格学校の案内をいくつか取り寄せたのですが、受講料がやたら高い!当時の私は非常に貧乏でしたから(今もたいして変わりませんが)、そんなお金は払えないし、何とか工面して払ったとして合格するのか?合格後すぐにお金を稼げるようになるのか?といろいろ不安で、悩んだ末に某通信教育大手のユー〇ャンの通信講座を受講することにしました。資格学校の受講料の3分の1から4分の1くらいの受講料だったと思います。これが私と非常に相性が良かったみたいで、すごく役立ちました。もちろん、その講座だけで合格するのは至難の業かも知れませんが、各教科のテキストが、法律の「ほ」の字も知らなかった私でもきちんと理解できるように書いてあるのです。当時私は地元の公立図書館を主な勉強場所にしてましたから、民法とか会社法なんて書いてあるテキストを持って図書館内をうろうろしてたら、他の利用者から、あの人はきっとインテリに違いない!と間違われるのでは?などと妄想し一人悦に入っていました。

それらのテキストを1教科あたり3回通読し、その後は一切テキストらしきものは利用せず、ひたすら過去問を解いていました。山口県内で司法書士をしている人がyoutubeの動画で、自分は受験勉強の最初からいきなり過去問を解いていたとおっしゃっていましたが、実際に出題された問題を解きまくるというのは合格への近道だと私も思います。もっとも、私の場合は、それぞれの法律科目の枠組みを一通り学習した後であれば、という条件付きでの話にはなりますが。その動画に出ていた方は、大学の法学部出身のようですので、文学一筋だった私と同列に扱うことはできないのでしょうが。もっとも、市販の過去問集をこなすだけでは不安だったので、かつて私が高い!と言って敬遠した資格学校の答練(答案練習の略らしいですが、よく知りません)のみ利用してました。答練だけだとフルコースの講座に比べるとかなりリーズナブルでした。それでも二桁万円は軽く超えましたから、毎年7~8月くらいに各学校で実施される特待生選抜試験を受けて少しでも受講料を安くしようとしました。毎回せいぜい5%~10%くらいしか安くできませんでしたが。

そんな私もいっちょ前にスランプというものに陥ったことがあります。確か試験勉強3年目くらいだったと思います。ある時期から突然書式の問題が解けなくなってしまい、模擬試験でもまったく理解できなくて、やけくそで毎回白紙の答案を提出し、他の受験生を尻目にさっさと教室から退室してました。スランプというものは自分の力が大きく伸びる直前あたりに陥るものと聞いてはいましたが、それまでの人生で勉強の分野でスランプに陥った経験がなかったため(まあ、まともに勉強したことがありませんでしたから当然でしょうが)、非常に焦りましたし、悩みました。書式に関するいろいろなテキストを買ってみたりしましたが、どうにも出口が見えません。そんな中ふと立ち寄った書店で手にしたテキストがよさそうだったので購入してみて、そのテキストに書いてあることを実践してみると、もつれた糸がするするとほどけるようにスランプを脱することができました。あの時の感覚は今でもはっきりと覚えていますがとても気持ちよかったですね。もちろん、書式についてのスランプを克服できただけで合格に結び付いたわけではないですが、あれがなければ試験合格はなかったでしょうから、とても貴重な経験でした。元来闘争心というものを持ち合わせていない私が、あの時に勉強を投げ出さずによかったなと本当に思います。

どんな試験でもどんな勉強でもそうですが、努力に勝る王道はなしってことでしょうか。私自身は勉強は大嫌いですが、知的好奇心は人一倍あると自負しています。図書館や書店に行くとついあれこれ読みたくなってしまいますね。ここ最近は自分の読みたい本を読む時間がなかなか取れなくて残念なのですが。

そういえば、私が山口日仏協会の会員になっているということは以前ブログに書いたと思うのですが、その協会に70歳を過ぎてからフランス語の勉強を始めた方がいらっしゃいます。なぜフランス語の勉強を始めたのか聞いたときに、自分の知らない事を知るのが楽しいからだとおっしゃっていました。とても素敵な言葉だと思います。なんで学校に通って勉強するのだろう?と思ってる学生さんにこの言葉を教えてあげたいと思います。学校に通っていろいろな知識を得たり、いろんな経験を積むことで、それまで自分の知らなかった世界が見えてくるというのは、それ自体が楽しいものだと思います。

今年は大学受験も各種資格試験もいろいろと制約などがあって大変でしょうが、最後まであきらめずに頑張ってもらいたいですね。

 

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