長期相続登記未了土地問題とは

こんにちは。山口市の司法書士山本です。前回のブログ更新が2月中旬でしたから3か月ぶりの更新になります。ブログを書くのが面倒というわけではないのですが、「ネタ」がなかなかなくって更新が滞っていました。今回は、長期相続相続未了土地問題についてのお話です。

 

そもそも長期相続登記未了土地問題って何ですか?という疑問があるかと思います。私も司法書士をやっていなかったら絶対に知らなかっただろうなと思います。これは一言でいうとある土地について何十年にもわたって新たな登記がされていないという問題です。これの何が問題かというと、一般に人は1世代が30年で代わると言われています。つまり、30年経過すると祖父から父、父から息子などへと世代が移り変わる結果、おおよそ30年ごとに相続登記がされているはずである。しかし、30年以上も新たな登記がされていないということは、相続が発生しても登記手続きを怠っているのだと法務局は考えるのです。

 

相続登記を長期間怠っていると、いざその土地を売買したり、その土地を行政機関が買い上げて道路を通そうと思ったときに、手続きをするうえで必要な相続人の数が膨れ上がってしまって全員のハンコをもらうのに非常に苦労することとなり、相続人の数が50人とか100人とかを超えてしまうと、実質的に相続手続きをすることが不可能となります。そうなるとその土地を一切触ることができなくなってしまって、防災上や国民経済上、大きな損失となってしまうのです。

 

こうした問題を解消するために、現在全国各地の法務局が50年以上新たな登記がされていない土地をピックアップして、その所有者の戸籍を調べたうえ所有者が死亡していた場合は、その方の相続人全員を洗い出し、相続登記をしてくださいと連絡しています。

 

先ほど1世代が30年といいましたが、一律30年以上新たな登記がされていないところを対象としてしまうと、なかには非常に長命な方もいらっしゃったりするので、余裕を持たせて50年としています。この作業については私たち司法書士もかかわっていて、全国各地の市区町村に戸籍を請求して相続人を確定する作業を行っています。

 

また、現在は相続登記をするかしないかは任意ですので、50年だろうと100年だろうと相続登記をしなくても構わないのですが、約1年前に法律が改正されて、令和6年からは相続登記が義務化されます。正当な理由なく相続登記を怠っていると10万円の罰金を納める必要があります。これが長期相続登記未了土地問題の概要です。明日は、この長期相続登記未了の土地についての実際にあった登記手続きについて書いてみたいと思います。

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