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医療法人の設立をするには
こんにちは。さくらばたけ事務所の司法書士山本崇です。
今日は医療法人の設立について書いていきたいと思います。医療法人といえば、病院を運営している法人というイメージが一般的にはありますね。同じ医療法人でも、小さな病院から大きな病院まであります。ちなみに、済生会病院は、社会福祉法人で赤十字病院は日本赤十字社という法人です。山口県内にはなかったと思いますが、NTT病院は株式会社の病院で、ほかに宗教法人の病院もあります。なので、法人形態をとっている民間病院がすべて医療法人というわけではありません。
まず、医療法人の定義ですが、「医療法の規定に基づき、病院又は医師若しくは歯科医師が常時勤務する診療所又は介護老人保健施設を開設する社団又は財団」(医療法第39条第1項)となっています。ですので、社団(人の集まり)としての医療法人もあれば、財団(財産の集まり)としての医療法人の両方があるということになります。また、医師か歯科医師が常時勤務しないといけないので、過疎地域にあるような週に1回とか月に数回医師が巡回に来るような診療所は医療法人にはなれませんね。
医療法人の性質としては、営利財団でもなく、かといって公益財団でもない、その中間に位置する法人と考えられているようです。ただ、一般には、どちらかというと公益財団に近い法人であると考えられています。もっとも、営利追及ばかりしているような医療法人もありそうですが(これはほかの営利法人以外の法人でも同じだと思いますが)。
医療法人を設立するには、最低3名の理事と最低1名の監事が必要となります。さらに理事の中から理事長を選ばないといけませんが、理事長は医師又は歯科医師でないといけません。医療法人の定義を考えたら、医師等以外の人が理事長になることができないというのはすぐに理解できますし、一般常識からしても素直に納得できます。ただ、都道府県知事の認可を受けたら、医師や歯科医師でない人を理事長にできます。大病院などでは、病院の経営を経営能力に長けた医師以外の人に任せ、医師や歯科医師は医療行為に専念してもらう方が効率的ですからこうした規定があるものと思います。
理事、理事長、監事が決まったら、まずは定款(社団としての医療法人の場合)または寄附行為(財団としての医療法人の場合)を作成し、それから都道府県知事の設立の認可を受ける必要があります。
都道府県知事の設立認可を受ける際の方法ですが、申請書に次の書類を添付して、設立しようとする医療法人の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事に提出することになります。具体的には、山口県の場合、県庁の医務保険課に申請書と添付書類を提出します。
1.定款又は寄附行為
2.設立当初において医療法人に所属すべき財産の財産目録
3.設立決議録
4.不動産その他重要な財産の権利の所属についての登記所、銀行等の証明書類
5.当該医療法人が開設しようとする病院又は診療所又は介護老人保健施設の診療科目、従業者の定員並びに敷地及び建物の構造設備の概要を記載した書類
6.医療法42条4号又は5号に掲げる業務を行おうとする医療法人にあっては、当該業務に係る施設の職員、敷地及び建物の構造設備の概要並びに運営方法を記載した書類
7.設立後2年間の事業計画及びこれの伴う予算書
8.設立者の履歴書
9.設立代表者を定めたときは、適法に選任されたこと及びその権限を証する書類
10.役員の就任承諾書及び履歴書
11.開設しようとする病院、診療所又は介護老人保健施設の管理者となるべき者の氏名を記載した書面
上記の申請で設立認可が下りたら、あとはその認可書を付けて法務局に、医療法人設立の登記を申請します。
なお、設立の登記を申請する際に、理事長の氏名を婚姻前の姓(つまり旧姓)も併せて登記簿に登記してもらうことができます。この場合は、旧姓が分かる戸籍謄本等を添付書類としてつけなければなりません。
医療法人の設立の登記申請をしてそれが完了したら設立の手続きは終わりです。
医療法人を設立しようと考えておられる方は、まず、当事務所にお問い合わせください。
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