成年後見人としての仕事ー退院時の付き添い

こんにちは。さくらばたけ事務所の司法書士山本崇です。今回は成年後見人の仕事の一部をご紹介します。ちなみに、成年後見人に就任するには特別な資格は必要なく、一般の市民でもなれます。よくあるのが被後見人さんのご家族が後見人に就任するパターンです。最近は市民後見人と言う一般の方が成年後見制度を勉強して、家族以外の人の後見人に就任することもあります。今後も高齢化が進む日本では、家族や専門家が後見人になるだけでは対応できなくなる可能性もありますので、市民後見人は今後の活躍が期待されます。

さて、現在私が成年後見人に就任しているのは、2人の被後見人さんについてです。このうちのお一人が8月上旬に精神的に非常に不安定となったため、それまで介護施設に入所していたのですが、急遽精神科の専門的な治療ができる大きな病院に入院することになりました。医療保護入院というものです。それよりも重篤で他害、自傷の恐れが極めて高い場合は強制力を伴った措置入院となります。

一般の精神科医ではなく精神保健指定医の診断によって医療保護入院が決せられます。私たちが入院する際は医師2名と看護師2名が診察室で立ち会っていました。とくに危険な兆候はありませんでしたが、やたらと興奮しており、1時間くらい休みなくしゃべり続けていました。入院する部屋も監視カメラがついていたり、どの場所にいるかがわかる仕掛けがあるそうです。病室自体には鍵はかかりませんが、病棟全体は閉鎖病棟となっていました。

私は被後見人さんが入院している間、2週間に1回の割合で面談に行っていましたが、最初の面会のときから症状はかなり落ち着いており、担当の医師も早めに退院できるだろうとの見通しをおっしゃってました。ちなみに、医療保護入院では無制限に入院させておくわけではなく、いずれ退院することを前提に入院の可否が決められます。ですので、入院時に退院後に受け入れてもらえる施設があるかを私に確認していました。

さいわいにして昨日、被後見人さんが退院されました。退院後は2週間に1回の割合で通院して1~2ヶ月くらい通院すれば、一般の精神科病院での通院投薬に切り替えることができるそうです。入院時は介護タクシーを利用して病院にいきましたが、退院時は介護施設のふつうの車でした。

この方については、入院前からたびたび介護施設から電話で連絡があり、その度ごとに問題の報告がされていて正直手がかかる方だったのですが、一度入院したので今後は少しは落ち着くかもしれません。もっとも、担当のケアマネージャーの方がまだ若くて経験が浅いので、ちょっとしたことでも私に問合せをしてきていたために頻繁な連絡となっていたという面もありますが。

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