司法書士から見る、成年後見制度の世界

成年後見人に就任したもののあっという間にバトンタッチ

山口市の司法書士さくらばたけ事務所の山本崇です。今回は私が就任している成年後見人についてのお話。

以前から、一人の男性について成年後見人となっているのですが、9月上旬に新たに後見人に就任しました。就任する前に、リーガル・サポートという成年後見制度を支える司法書士の団体から、就任しますか、それとも辞退しますかという問合せがあります。私のところにもそのリーガル・サポートから問合せがあって、ご本人さんがどういう人なのか聞いたところ30代の女性ということでした。どうやら知的障がいを抱えているとのこと。とはいえ、それくらいの年代の女性なら女性の後見人さんの方がいいのでは?とも思ったのですが、どうやら本人さんの亡くなったお父さんについて相続登記等の手続きがあって、それが全部済んだら女性の社会福祉士さんに後見人をバトンタッチして欲しいとのことでした。バトンタッチして欲しいというのはリーガル・サポートの人が言ったのではなくて、後見の申立人である本人の叔母さんが申立書に書いていたのですが。

任務の対象である不動産はなく、なにもしないまま成年後見人を辞任

まあ、そういうことならととりあえず引き受けて後見人に就任しました。で、後見開始の審判が確定し、後見登記簿が取れるようになったらすぐに市役所に行き、本人のお父さんの名寄せ帳を取ってみたのですが、市役所の担当者から該当する不動産がないとの回答。え?ってなって、いろいろ調べてもらったのですが、やはりない。う~ん、どうしよう。ちょっと困惑して、とり合えずそのときは事務所に戻ったのですが、もしかしたら本人さんのおじいさんやおばあさんの名義の不動産があるのか?と思って、翌日市役所に行ってみましたが、やはり不動産はなし。

困ったな~と思い、家庭裁判所の書記官さんに相談すると、「なら辞任して結構ですよ」とあっさり。なんのために後見人に就任したのか意味が分からんな~とかブツクサ思いながら、今辞任に向けての手続きをしております。とり合えず、ご本人さんが現在重い病気を患っていて、さいわい医療保険を契約していたので、保険金の請求だけやっておこうと思ってますが、それが終わったら即辞任です。こういうよく分からない後見人もあるんだなといい経験になりました。

しかし、おばさんは何のために成年後見開始の審判を申立てたんだろ?ってのが素直な感想です。