審査請求が認められるのは難しい①

こんにちは。さくらばたけ事務所の司法書士山本崇です。今日は、自動車税の課税処分に対する審査請求について書いてみます。
先日というか、今年の1月に中古車販売業者さんから相談を受けました。中古の自動車を売ったが、買主がいつまでたっても買主の名義に車検証の書き換えをしなくて困っている。中古車を仕入れたオークション会場からペナルティとして8万円請求されたし、このままでは自分が自動車税も払わなければならなくなる。なんとかならないか、という内容でした。

最初は、私の経験不足もあって、判決による登記というのがあるくらいだから、判決を取って車検証の書き換えもできるのではないか?と単純に考えていました。ところが、実際はそう単純ではなかったようです。知り合いの行政書士さんを通して、ベテランの行政書士さんに聞いてみたところ、車検証の名義を書き換えるのには必ず車庫証明が必要だが、その車庫証明を取るためには買主の実印が必要だから、判決があるだけでは名義書き換えは不可能だ、とのことでした。その後、陸運支局、山口県税事務所、県警本部と行ってみていろいろお願いしてみましたが、やはり車検証の書き換えを強制的にするのは無理、さらに自動車税の課税処分は車検証に所有者として記載されているため、中古車業者さんにかかります、止めるのは無理です、と言われました。

どうしたものかと困っていましたが、中古車業者さんと相談して、とりあえずオークション会場に払った8万円は損害賠償請求訴訟を起こして判決だけ取っておこうということになり、簡易裁判所で通常訴訟手続きを取りました。自動車税の課税処分については、何度も県税事務所に足を運んで、課税処分をしないでほしい、車はすでに売り払っているので、買主が自動車税を払うべきだと申し入れをしたのですが、何度行っても無理ですとの回答しか返ってきませんでした。

そうこうするうちに自動車税の課税の基準日である4月1日を迎えました。こうなったら自動車税の納付書が届いたら、すぐに県知事宛に審査請求するしかないでしょうと中古車業者さんと話し、審査請求する方向で話がまとまりました。また、4月になってすぐに裁判の方は判決言渡しの日を迎え、被告である買主が口頭弁論に出席せず、答弁書等も一切出さなかったため、中古車業者さんの全面勝訴となりました(まあ、当たり前といえば当たり前ですが)。
あとは、判決を債務名義として債務者に強制執行をかけ、自動車税については審査請求をするだけです。

その後の経過は、次回に書きたいと思います。つづく・・・
 9月15日のパークロード

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