こんにちは。さくらばたけ事務所の司法書士山本崇です。今回は少し間が開いてしまいましたが、以前書いた審査請求のお話の第3回目です。

前回は、中古車の買主の財産を差し押さえるのは諦めたところまでお話しました。その続きです。結局、中古車の買主への損害賠償は現時点では不可能なので、それは置いておいて、依頼者さんの手元にない中古車について自動車税が課税された点について審査請求等言う形で不服申し立てを行なうことになりました。

まず、県税事務所の課税処分についての審査請求を司法書士ができるかという問題があります。いろいろ調べてみると司法書士でもできるという意見もあれば、できないという意見もあり、ここでは安全策をとって私が代理で作成したものを依頼者が本人の名前で提出するという形をとりました。まあ、これもかなりグレーな感じではあるのですが。こちらが主張した主な点は、昨年に中古車の売買契約が成立しているので、契約成立と同時に中古車の所有権は買主に移っており、依頼者は所有者でない以上、課税処分は違法であるということです。また、買主に対して損害賠償を求める裁判を起こし勝訴判決を得ているところも有力な証拠資料として提出しました。

県税事務所からは、課税処分は特段の事情のない限り、4月1日に車検証に所有者として名前が記載されているものに対して行っても問題ないという、総務省の通達を反論書に書いていました。それに対して、こちらは昨年末以来、県税事務所に対して、売買契約書等の資料を提出して中古車の所有権を喪失しているために課税処分をしないよう再三にわたり申し入れしているので、特段の事由があると言えると主張しました。こうした申し入れをたびたびおこなっている以上は、県税事務所としても中古車の真の所有者が依頼者にあるのか確認する必要があるとも主張しました。その他、県税事務所から意見書が提出されるたびに丁寧にその意見の不当性を訴えていったのですが、最終的には依頼者の請求を棄却する裁決が出されました。曰く、自動車税のように大量に処理されることが予定されるものについては、車検証の名義人に対して課税することは妥当である。特段の事由についても限定的に考えるべきである等が書かれていました。

やはり、行政が出した処分に対して行政に不服申し立てをしてもこちらの主張が通るのはかなり難しいのだなあと実感しました。今後は行政訴訟という手もありますが、私は今回の件で依頼者から一円も報酬を頂いておりませんので、さらに争いたければ、依頼者自身でやっていただくようお願いするしかありません。