子ども食堂

こんにちは。山口市役所ちかくで司法書士をしている山本崇です。

昨年のクリスマス時期に、主に山口市内で子ども食堂を運営している団体に、クリスマスケーキをある程度の量、寄贈したのですが、今回はまもなく土用の丑の日ということもあり、ウナギを大量に寄贈しました。現金で寄付すればいいのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これにはいろいろと事情がありまして、うちの事務所で事務員をしてくれている女性のご主人が、とあるショッピングセンターに勤務しており、毎年クリスマスケーキと土用の丑の日のウナギについてノルマがあるそうで、現金ではなくクリスマスケーキやウナギという形を取ることで事務員さんも助かる、また、子ども食堂も助かるという一挙両得なわけでこのようにしているのです。

今年のウナギの件で、担当の方とお電話でお話しさせていただいたときに「ありがとうございます。子どもたちはウナギを食べたことがないんですよ。」とおっしゃられ、その後半の言葉に私は衝撃を受けました。私の子ども時代も特に幼稚園時代から小学低学年まではそこそこ貧乏ではありましたが、毎年ではないにしろウナギを食べることもままならないというほどの困窮度合いではなかったです。その後、バブル景気を経て、日本は随分と豊かになり、飽食の時代とすら言われています。今の子どもたちの多くは私たちの子ども時代と違って、何日も何か月も空腹であるなんて経験をしたことはおそらくないでしょう。私の子どももそうです。その一方で満足に食事にありつくことができない子どもたちが現代の日本にも少なからずいるという事実に強い衝撃を受けます。

第一義的には、そうした問題は子どもの親あるいは保護者さらにはその親族の努力で解決するべきだと私は思います。ただ、親御さんや親族の努力ではどうにもならないのが、現在の子どもの貧困なのでしょう。そうした場合、本来であれば行政が支援するべきなのですが、行政についてはとにかく動きが遅い。また、子どもの貧困対策をしたところでその効果が世の中に見えにくいというところもあり、どちらかといえば行政は及び腰であるように感じます。であれば、私たち民間の事業者が動くしかないと思います。たしかに、子ども食堂に食糧支援をしたところで、司法書士事務所であるうちの事務所の売り上げが伸びるなんてことはほぼないでしょう。もちろん、そんなことは最初から期待していませんけれども。ただ、そうして支援を継続した結果、子どもたちが一人前の大人になったときには、労働力にもなりますし、財やサービスを消費する消費者にもなります。なかには会社を興して多くの地域の方々に雇用を創出してくれるかもしれません。やはり、目先の利益だけを考えるのではなくて、将来の日本を背負う子どもたちを支援することは、まわりまわって日本社会全体の利益になるのだと思っています。

毎回、こうした思いを抱きながら子ども食堂に支援を続けています。

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