不動産か?負動産か?

こんにちは。山口市役所近くの司法書士山本崇です。

最近ときどき新聞の折り込み広告で「遊休地を売ってください!」というのを見ます。田んぼや畑で耕作放棄地となっているようなところでも大丈夫などと書いてあります。どんな土地でも大丈夫ですというような広告を見ながら、いざ売るとなったら本当に買ってくれるのだろうかなどと思います。こういうチラシを出している業者さんが購入した土地をどう利用するかというと、元田んぼや元畑などは全部土地を平たんにして太陽光パネルを敷き詰めます。そして太陽光投資をしたい個人や会社などの投資家さんに売るのです。業者さんとしては自分が製作した、あるいは自分が仕入れた太陽光パネルが売れるのでそこで利益が出ます。ただし、土地の価格がある程度安くないと投資家さんは投資総額が高額になり投資に見合うリターンが得られないため購入してくれません。ですから、こうしたチラシを出している業者さんが狙ってるのは過疎地域の広い田んぼや畑などの平坦地です。当然日当たりが良ければ良いほどありがたいことになります。

先日、東日本の方から電話でご依頼をいただきました。山口県内の農地を相続したので相続手続きをお願いしますということでしたが、あわせて、遠方なので土地の管理ができないため、誰か購入してくれる人がいたら探してほしいとのことでした。相続手続きを終えていろいろ手を尽くしてみました。まずは知り合いの不動産屋さんやこういった土地に興味を示しそうな不動産屋さんに問い合わせ。それから今回相続した土地に隣接する土地を所有している人に買い取ってもらえないかのお願い。さらに、農地を耕せなくなった人に代わって交錯してくれる人を仲介してくれる農地中間管理機構への問い合わせ。これらはいずれもダメでした。どうしたものかと思っていたら、1週間前に、例の「遊休地を売ってください!」というチラシを見かけて、ダメ元で電話してみました。

やはりこうした業者さんは一定程度の広さのある土地でないと買い取ってくれないらしいです。今回連絡した業者さんは最低1000平米以上からとのことでした。今回私が手続した東日本の方が相続した土地は1つがせいぜい400平米で、土地自体は5つあるのですが、離れ離れになっているためひとまとめで1000平米は超えないので断られてしまいました。また数日前にはたまたま別の太陽光投資の業者さんから不要な土地はありませんかと電話営業がありましたので、紹介してみました。一つ一つの土地は小さいので周りの土地所有者さんを調べて売買交渉してみてはどうでしょうか、過疎地域なので売りたい人はいくらでもいると思います、と提案してみました。また、連絡しますとのことでしたが、あまり期待はできないでしょうね。

かつてバブル景気の頃は、土地の値段は必ず値上がりするという土地神話というものがあり、原野商法などという詐欺業者もありましたが、今でも土地などの不動産でも田舎の不動産は価値がないとみなさん気づいてらっしゃるので、不動産ではなくて「負」動産などという言い方すらあります。なかなか景気のいい話は転がってないですね。

みなさまの中でも、ある程度の広さがある農地などを持て余してる方がいらっしゃいましたら、さくらばたけ事務所までご連絡ください。お力になれるかもしれません。

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