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遺産分割の決まりは?
こんにちは。山口市役所ちかくで司法書士をしている山本崇です。
相続についてのお手伝いをしていると、ときどき遺産の分け方に決まりはあるのですか?と尋ねられることがあります。ある人が亡くなった場合に、その遺産つかり相続財産を分ける方法に一定の決まりがあるのかと気にされるということです。これについては、いつも「一切ありません。どのような分け方をするかは相続人さんのまったくの自由です」ときちんと伝えております。亡くなった方(被相続人)に配偶者1人と子供3人がいた場合は、全部で4名の相続人さんがいることになります。このときに4人で均等に遺産を分けてもいいですし、誰か1人だけが遺産を全部もらってほかの人は一切もらわないという分け方でもなんら問題はありません。そのように相続人さんの間で話がまとまればですが。この遺産の分け方についての話し合いを「遺産分割協議」といい、遺産分割協議にはなんらのルールもありません。
もちろん、遺産分割協議において相続人さんの話し合いがもめてまとまらない場合もあります。どうしても協議がまとまらないときは、家庭裁判所に遺産分割をしてもらおうと遺産分割の調停を申し立てることができます。この調停は一種の話し合いですので、相続人の方全員が納得するのであれば、ここでもこれといった決まりはなく調停をまとめることができます。調停がまとまれば、調停調書が作成されますので、それを使えば他の相続人さんの印鑑などはもらうことなく調停の内容の通りに預貯金を解約したり、不動産の名義変更をすることができます。さらに調停でも話がまとまらない場合もあります。調停がまとまらない場合を不調といいますが、この場合は相続人さんの誰かが申し立てることによって正式な裁判を受けることとなります。裁判が提起されると裁判所は原則として判決を出さなければなりませんが、遺産分割の裁判では法定相続分に従った分け方に基づいた判決が出るのが一般的です。例えば、配偶者と子供が相続人の場合の法定相続分は、配偶者が2分の1、子供全員で2分の1となります。子供が2人いれば、子供一人当たりの相続分はそれぞれ4分の1となりますし、子供が3人いればそれぞれ6分の1ずつの相続分となります。
遺産分割協議が揉めにもめて最終的に裁判所にまで遺産分割のもめごとを持ち込んだところで、結局は法定相続分にしたがった判決がでるだけで、時間とお金と労力を費やすだけですから、遺産については、相続人さんの間で話し合いによってまとめたほうがいいのは間違いないですね。
最後に1つだけ注意があります。相続税が課税されるほど多くの遺産がある場合(一般に5千万円から1億円以上)は、遺産の分け方によっては通常より高い相続税が課されることがあります。遺産の額が多い場合は、まずは税理士さんに相談されてください。