司法書士にとって税金は大切

相談業務にからむ税金の問題

こんにちは。山口市の司法書士さくらばたけ事務所の司法書士山本崇です。今回は司法書士と税金とのかかわりにつて書いてみます。

司法書士の中心業務である登記では、申請の際に原則として登録免許税を納付する必要があるため、通常の司法書士さんは、登録免許税の内容については熟知しています。私ももちろんそうです。ただ、それ以外の税目については通常業務で納める必要がないためそれほど詳しいことはありません。そもそも税金に関しては税理士という専門家がいて、司法書士をはじめとした税理士以外の人が税金についての相談を受けたりすることは税理士法違反となる場合があります(弁護士さんについては税理士登録をしていれば税理士として活動することができますが)。ですので、我々司法書士が相談者さんや依頼者さんから税金についての相談を受けてもそれに応じることができないのが建前です。

とはいえ、税金について何も知らなくて良いわけではありません。たとえば、財産管理についての相談を受け、信託という方法を提案したとします。「あなたの事例ですと家族信託が有効です」と伝え、相談者さんがそれに従って信託を設定したところ、当初思いも寄らなかった税金を税務署から納めるように指摘されたとなるとクレームにつながります。ですので、司法書士が仕事をするにあたっては、常にどういう税金がおおよそどの程度かかるだろうかということを念頭においています。もちろん上にも書いたように税理士法との兼ね合いもありますので、あまりに詳細に税金についての相談に応じたり、税金についての手続きの代理をすることにならないように気をつけなければなりませんので、けっこう気を使うことも多いです。

司法書士として、おおよそ頭に入れておいたほうがいい(あるいは場合によっては頭に入れておかないといけない)税金は、主には不動産の取引や相続によって発生するものです。譲渡所得税、不動産取得税、相続税が主なところでしょうか。それ以外に不動産を所有していることによって発生する固定資産税や都市計画税についても概略は押さえておくと便利でしょう。今までに相続登記のお手伝いをしているときに、相続税についての手続きの代理を依頼されたことが何度かあります。もちろんそれは税理士さんでないとできないのでお断りしましたが、司法書士が税金についての業務を扱えないということを知らない相談者さんは意外と多くいます。登記は司法書士で、税金は税理士というのは一般の方にはあまり認識されていないようです。もちろん同じ専門家が登記も税務もできると便利なのですが、それはできない決まりですので仕方ありません。こちらとしても確定申告や相続税の申告の仕方については詳しくないのでお願いされても困るのですが。

不動産に関する税金以外では法人税についての概略を知っていると便利でしょう。司法書士は会社関係の登記のお手伝いをすることもよくありますので、会社や法人の担当者さんと打ち合わせをする場合に、法人税の話ができるとスムーズに話が進むことも多々あります。ただ、法人税については不動産に関係する税金よりも内容が複雑ですので、詳細は税理士さんにたずねてくださいとなることも多いです。それに会社や法人は通常法人税の申告をお願いしている顧問税理士さんをお持ちで、会社の担当者さんも事情は分かってくださいますので、一般の方に比べると「詳細は税理士さんにたずねてください」というのは言いやすいですね。

なんにしろ、世の中では何をするにしても常に税金の問題が絡んできます。それは司法書士が相談者さんにアドバイスする内容にも深く関係してきます。税金については税理士という専門家がいるので司法書士として税金についてはまったく知らなくてよいというわけにはいきません。税理士法との兼ね合いには気をつけないければなりませんが、常に税金の問題を意識しながら業務をおこなっていく必要があるのです。それは司法書士に限らず他の専門家についても同じだと思います。