相続の登記を依頼するときの注意点

おはようございます。山口市中河原町の司法書士さくらばたけ事務所の司法書士山本崇です。今年の夏は例年以上の酷暑が続き各地で熱中症になられる方も相次ぎましたが、さすがに10月の上旬ともなると秋らしい涼しい日がやってきました。とはいえ、よく晴れた日の日中はまだまだ汗ばむ気候のときもありますので、用心は必要です。

さて、今回は相続登記での注意点を書きたいと思います。
ある方が亡くなってそのお子様方などの相続人様が相続の登記、いわゆる不動産の名義変更を依頼される場合は、当然のこととして亡くなった方が持っていたすべての土地、建物が相続の対象となりますので、亡くなった方がどれだけの不動産を持っていたのかを相続人様がきちんと把握していなければなりません。しかし、相続人様が亡くなられた方から聞いていた情報のみを頼りに相続登記を行なってしまうと、実際には他にも不動産があったりして、その不動産について相続の登記が行なわれないままになってしまう恐れがあります。

そうした事態を避けるため、司法書士が相続登記の依頼を受けた場合は、通常名寄帳(なよせちょう)というものを役所などから取り寄せます。名寄帳というのは正式には固定資産課税台帳と呼ばれるもので、ある人が持っている不動産(土地と建物)の一覧表です。市役所は町村役場で作成されるもので、ある人が持っている不動産がすべて網羅されておりこれを元に市役所などが所有者に固定資産税を課税します。課税漏れがあっては市町村の財政に影響するため基本的にその人の不動産は漏れなく記載されています。

逆に言えば、亡くなった方についてこの名寄帳を取り寄せれば、その人が生前に持っていた不動産を漏れなく把握することができて大変便利です。よくあるのが「亡くなったおじいさんは、この家とその敷地しかもっていなかったはず」というパターンですが、あとになってその家の前の道路部分も所有していたというもの。こういうことの名寄帳を取り寄せれば一目瞭然です。

この名寄帳は、亡くなった方の相続人様がご自身で市役所等に行って交付してもらうか、代理人に委任状を交付して代わりに取ってもらうかしかありません。司法書士が職権で交付を受けることはできないのです。ですから、相続の登記を依頼されるときには、名寄帳取得のための委任状への署名にご協力いただけますようお願い致します。

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