こんにちは。さくらばたけ事務所の司法書士山本崇です。今回は、相続登記で必ず必要となる、被相続人の戸籍謄本について少し書いてみます。

かつては戸籍簿に記載してあるものの全部の写しは戸籍謄本といい、一部の写しは戸籍抄本と言っていました。現在では、電算化が進み、これらはそれぞれ戸籍全部事項証明書、戸籍一部事項証明書と言っています。もっとも、慣用的に戸籍謄本、抄本と言うことが多いですが。

相続登記では被相続人の出生から死没までのすべての戸籍謄本が必要となります。被相続人に対する相続人を明らかにするためです。また、戸籍簿は、ちょこちょこと作り替えられているため、通常複数の戸籍謄本が必要です。このあたりの事情についてはまた別の機会に書くとして、先日依頼を受けた相続登記の際に取得した戸籍謄本について。

被相続人が他界したために、その方の戸籍謄本を取得しなければならなかったのですが、その方(男性)は昭和10年代にご結婚されていました。で、奥様と2人のお子様がいたのですが、戸籍簿の記載を見ると、奥様は昭和20年のある日に台湾で亡くなられていました。台湾で亡くなるというのが、時代を感じさせます。その頃は、台湾は日本の領土でしたからね。で、お二人のお子様も既に他界されていたので、その死亡日を確認したところ、奥様の死亡日とまったく同じ。そして死亡した地もまったく同じ。奥様は20歳代での他界。お子様お二人は2~3歳での他界でした。

昔は医療も今ほど進歩していませんでしたし、衛生状態も今よりもはるかに悪い状況でしたから、若くして亡くなる方は、今に比べてはるかに多かったわけですが、昭和20年の同じ日に、親子三人が台湾で亡くなるというのは・・・ふと思って、インターネットで、その日の台湾について調べてみますと、旧日本軍とアメリカ軍との大規模な戦闘があったようです。そうすると、この親子は、日本とアメリカの戦争の犠牲になったと考えるのが自然でしょう。

私も4歳と2歳の子を持つ親ですので、小さな子どもを抱えたまま亡くなった、この奥様の無念さを思うと非常に複雑な気持ちとなりますし、遺されたご主人もその知らせを受けてどんな気持ちであったかを考えるといたたまれない気持ちになります。最近、北朝鮮を巡って不穏な動きが報道されていますが、平和な時代に生まれて本当によかったと改めて感じざるを得ません。